◆ 助成金の不正受給について

最近、企業の助成金不正受給が次々と発覚し、社会問題となり、助成金を支給する側のずさんな体制や企業のモラルが今問われています。では助成金を受取った企業が、不正受給が発覚して助成金を返還した場合、果たして損金に算入できるのでしょうか。

その後の厚生労働省の調査では、多くの企業で不正受給疑いが浮上しているそうです。同省では、支給手続きなどの不備などを見直し、不適切な支給に関しては返還を求めていくという方針をかかげています。


しかし不正が発覚した場合、支給された助成金は返還しなければなりませんが、罰金などは支払う必要はありません。しかもただ受給資格が一時的に停止になるだけですんでしまいます。


では、返還分の損金算入は?支給された助成金は益金に算入されます。ですから、返還した助成金も損金の額に算入できるのです。


つまり得あって損なしなんですね。

◆ 家賃の1年分前払いについて

翌期の経費を今期の経費として繰り上げることは原則的に認められていませんが、例外規定として「短期前払い費用」があります。

【法人税基本通達2−2−14】
「前払い費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち・・・中略)の額で、支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。」

ここで事務所家賃を1年分前払いして今期で24ヶ月分支払った場合には、すべて損金に出来るのでしょうか。

結論としては、全額損金計上可能となります。この根拠条文が上記の規程なんです。なお上記条文上の「継続」とは前払いすることの継続ではなく、「短期前払い費用がある場合に、継続して支払った事業年度の損金とすることの継続」です。

たまに税務調査の際に「前期に前払いせず、当期に前払いすることは継続条件に反している」という指摘を受けます。しかしこれは前述のとおり、間違えですので覚えておきましょう。

◆ 平成15年度税制改正情報

1、個人所得税・不動産税制

 まず登録免許税や不動産取得税については土地取引の活性化を目指して税負担の軽減が検討されています。また登録免許税については、税率を半減する案が検討されています。これらについては実現性はかなり高いものになっています。また実現性は微妙ですが固定資産税及び不動産の譲渡税の税率を引き下げる案が検討されています。
 個人所得税では特定扶養控除、勤労学生控除、寡婦(夫)控除、配偶者特別控除の廃止が検討されていますが、15年度で実現するかどうかは微妙です。また老人扶養控除については同居老親等の廃止が検討されています。

2、法人税

 研究開発税制と投資促進税制の2本立ての減税が行なわれる模様です。いずれもかなり実現の可能性が高いものになります。
 研究開発税制では試験研究費について、投資促進税制ではソフトウェアを含めたIT投資について、減税の対象になる模様です。
 また留保金課税の廃止案も出ているようです。

3、消費税

 法人事業者の免税の廃止及び簡易課税制度の全廃が検討されています。しかし政治的に大変な議論が予想されます。

4、相続税・贈与税

 最高税率の引き下げは確実です。また相続時精算課税制度(仮称)なるものが創設される模様です。この制度については今後詳しく説明する機会があるものと思います。

5、金融・証券税制

 特定口座制度がもっと使い勝手がいいように変わります。また株式の配当については税率を一律20%とし、申告不要の源泉徴収に統一されます。


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